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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず

憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず

吉野 作造

「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页

青空文庫

一体かくの如き事の我々の問題に上るのが、已に立憲国としては不思議な現象である。否むしろ恥ずべき現象である。苟くも立憲政治の下においては、つまらない人間は初めから議員となるべきものではない。凡そ政治は本来極めて高尚なる仕事である。従って高き教養ある人士のみよくこれを司り得べき仕事である。しからば政治家に対して人格の吟味をするが如きはこれ政治家を侮辱するものではないか。人格に疑問を置かるるが如き者は、初めから政治家としての取扱いを受けないのが、西洋諸国の通例である。故に西洋では候補者の学識政見が専ら問題となるけれども、その人の人格を見ねばならぬというような事は、まず無いといってよいのである。人格の如何によりて候補者の月旦をなすべしという議論のあることが、実は決して誇るべき現象ではないのである。いわんや世間一般の俗人の如く、まったく候補者その人の人格をば顧みずして、ただその撒き散らす金の高によって投票すべきや否やを決すべしというが如きは、実に浅ましき限りであるといわねばならぬ。こういう状態であるから、議員の※(「さんずい+續のつくり」、第3水準1-87-29)職問題というようなものも頻繁に起るのである。