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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず

憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず

吉野 作造

「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页

青空文庫

社会の選良たるべき議員がその実万人の儀表たるべき人格を備えず、従って議員にしばしば※(「さんずい+續のつくり」、第3水準1-87-29)職行為をなすものあるのは、恐らく我が国特有の現象であろう。かくの如くにしては到底我が国において憲政の進歩を見る事は出来ない。これを防ぐには繰返していうが如く、人民をして初めその選挙を誤らざらしめんことが必要であるが、また議員のその職を※(「さんずい+續のつくり」、第3水準1-87-29)すものに向って最も峻厳なる制裁を加うることも極めて必要なのである。即ちその職を※(「さんずい+續のつくり」、第3水準1-87-29)す議員に向っては、独り法律を以て厳しくその罪を罰するのみならず、我々はまた輿論の力を以て彼らを政界から葬ってしまうの覚悟がなければならぬ。

なおこの点に関して予の更に深く世上の注意を乞わんとする点は、誘わるる者よりも誘う者の罪が一層大なりという点である。この事は本誌去年十一月号の内外時事評論中「収賄贈賄罪いずれか重き」という篇中にも大浦問題に関連して説かれてあった。聞くところによれば、大浦子爵自身は初め自分の贈賄行為の不正なる所以を全然悟らなかったということである。