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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
社会民主党がその根本主張の一として共和主義を掲げて居ることは前に述べた。彼らの主張は凡て国家は元来共和国たらざる可からずというに在るのか、あるいは国家としての価値は君主国体よりも共和国体の方が優って居る、従って共和制を理想とするというに在るのか、この点は些か明瞭を欠くようであるけれども、いずれにしても共和主義を旗印の一つとして居ることは疑いはない。しかるになおその上に彼らは独逸憲法上の解釈として「独逸は共和国なり」と主張せんとするのである。彼らは曰く、独逸は名は帝国というけれども、その法律上の性質は君主国ではない。なるほどこれを組織する各連邦の大部分は明白に君主国である。独逸を組織する二十五の連邦中には、王国が四つ、大公国が六つ、公国が五つ、侯国が七つ。他の三つはいわゆる自由市と称する共和国である。故に少なくとも二十二の独立君主国を含んで居る。しかしこれらの二十二の君主国と三つの共和国とより成るところの全体は君主国ではなく一種の共和国である。ただ普通の共和国と違うところは、彼にあってはこれを組織する単位が個々の人民であるに反し、此に在りては各独立国家そのものが単位である。