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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
中には男爵を授けらるることを条件として、多額の軍事公債に応ずる事を承諾したものもあると言われて居る程である。かくして金権は政権に迫り、自家階級の利益のために種々の不当なる法律の制定を要求したのである。資本家階級の独りこれを便とし、一般民衆のためには最も不都合なる各種の財政的立法の、今日に厳存するのは皆この結果である。かくして我が国においては最近新たに、法律によって不当にその利益を保護せらるる一新特権階級を生じたのである。この種の特権階級は、将来民本主義の要求と接触して、いかにその間の調和を見るかは、我々の最も憂慮し且つ注目するところである。金権階級は事物質上の利害に関するが故に、容易に一般民間の声を聞こうとしない。故に我が国において他日もしこの方面の問題に関して、頗る解決に困しむものありとすれば、恐らくそはこの財政的特権階級の問題ではあるまいか。もしそれこの財政的特権階級が、歴史的特権階級と結託して、傲然民本主義に臨むことあらん乎、国家の不祥これより大なるはない。予はこの点に関して切に識者の注意を惹起し、且つ国家の至寵を恣にする貴族富豪の反省を乞わざるを得ない。