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たんていのまき
探偵の巻
「都新聞 第一八三四二~一八三四四」1938(昭和13)年11月24~26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,368 字 · 9 页
中学生とどうして大学生とどうした等々。自分だけ聖女のやうな顔してゐる。どこへ行つても、さうなのだ。こつちはメニサンクスだの復讐せんならんを読んできてゐるのだから、大いに可笑しくて仕方がないが、先生達まことに悠々たるものである。
小娘相手に立腹するのも大人げないが、皮肉のひとつも言ひたくなるので、手紙で見た男の名前やあひびきの場所をすつぱぬいて冷やかしてみると、あら、うち、よう言はんわ、など洒蛙々々たるもの、他人の話のやうに小気味良く笑ひだしたりするのである。ことごとく変幻自在意外極まる応接に、俄探偵二の句もでないていたらくであつた。
小娘乍ら流石に不良少女だけのことはあつて、きかれもしない他人のスキャンダルはぺらぺらと喋べりまくるが、こつちの訊ねる急所となると、金輪際口を開かぬ。
三宅君、不良少女の訊問を酒の肴に、気持よく一杯のんで、人生二十何年かの悪運つづきの鬱憤を一気に晴らす魂胆でゐたのであつたが、肴になりかねないのは、こつちの方で、翌日のこと、正装した二人の不良少女が手みやげの最中かなんかぶらさげて、まだ戻らはらしまへんか、どんなことどすな、なんぞと敵情偵察かたがたお悔みにやつて来られた時には、俄探偵面目玉を踏みつぶして、遂に悲鳴をあげたのであつた。