轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

「新日本文学」(第1~11節)、「潮流」(第16・17節)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,683 字 · 214 页

青空文庫

その街路で、このうたが流行し、うたわれた。生活にかぶせられている愚弄と穢辱に腹立つ感じが、人々の間に、そのうたの辛辣さが共感されたのであった。

十三

いかにも、熱心で向上心にみちた若い女教師がつかうらしく、その机の上は整理されていた。きちんとおかれた赤とブルーブラックのインク。硯箱、和英、英和と漢和の字書。まとめて綴られている書類。教育、心理、物象などの参考書。そのわきに少女っぽい花瓶がおかれ、白いえぞ菊の花が飾ってある。

反対側の縁側に、脚のこわれかけた食卓があり、そこを見ると、つつましくパフや紅刷毛があって、さわ子の化粧台となっている。ととのったなかに、若々しいととのわなさがこぼれて、愛嬌となっている部屋の空気は、ひろ子のこころをやわらげ、おちつかせた。

毎日仕事のためにつかわれ、そのために手入れされている机の居心地よさ。東京で、ひろ子が一人留守居していた弟の家のある地域は、一月下旬から空襲をうけはじめた。壕の中で食事をする生活では、机はそこにただ置かれているというばかりであった。食事をしたちゃぶ台で、茶碗を片よせて、重吉への手紙は書かれた。