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ぶんげいはしんかするか、そのた
文芸は進化するか、その他
平林 初之輔
「新潮 第二七年第六号」1930(昭和5)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,597 字 · 13 页
その他、彼は二十箇条にわたって探偵作家の心得を書いているが、それは探偵作家の心得として興味があるばかりでなく、探偵小説というものが一般の小説のカテゴリーを逸脱して、別種のカテゴリーをつくろうとしていることを指示している意味で興味津々たるものがある。すべての小説の本質的興味とされていた恋愛的興味が、ここで拒否されているということは、とりわけ面白い。さらに進んで彼は「探偵小説にあってならぬものは長ったらしい説明、余計なことについての芸術描写、巧みにつくり上げられた性格解剖、雰囲気的先入見。こんなものは犯罪と帰納との記録に何の生命をも与えはしない」と言っている。少なくも探偵小説が、従来の小説の概念に革命を齎らしつつあるということを私たちは注意しなければならぬ。それは、能率的、経済的、目的意識的、そして興味の中心を感情の浸透におかないで論理の過程におくという点で、少なくも尖端的な、現代的な小説の一タイプである。と言ったからとて私は、探偵小説を最もすぐれた小説だというのではない。ただすべての小説に一律な概念的規定を与えて、同一角度からそれを見ようとすることは今や困難になってきたということを指摘するのみだ。