轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゃよう
斜陽
「新潮 第四十四巻第七号~第十号」1947(昭和22)年7月1日~1947(昭和22)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,822 字 · 176 页
夕立の晴れた空にかかる虹は、やがてはかなく消えてしまいますけど、ひとの胸にかかった虹は、消えないようでございます。どうぞ、あのお方に、きいてみて下さい。あのお方は、ほんとに、私を、どう思っていらっしゃったのでしょう。それこそ、雨後の空の虹みたいに、思っていらっしゃったのでしょうか。そうして、とっくに消えてしまったものと?
それなら、私も、私の虹を消してしまわなければなりません。けれども、私の生命をさきに消さなければ、私の胸の虹は消えそうもございません。
御返事を、祈っています。
上原二郎様(私のチェホフ。マイ、チェホフ。M・C)
私は、このごろ、少しずつ、太って行きます。動物的な女になってゆくというよりは、ひとらしくなったのだと思っています。この夏は、ロレンスの小説を、一つだけ読みました。
御返事が無いので、もういちどお手紙を差し上げます。こないだ差し上げた手紙は、とても、ずるい、蛇のような奸策に満ち満ちていたのを、いちいち見破っておしまいになったのでしょう。本当に、私はあの手紙の一行々々に狡智の限りを尽してみたのです。結局、私はあなたに、私の生活をたすけていただきたい、お金がほしいという意図だけ、それだけの手紙だとお思いになった事でしょう。