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あたらしいまち
新しい町
小川 未明
「幼年クラブ」1947(昭和22)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,189 字 · 7 页
」と、きいたのでした。
「なんでもそんな話だな。」
「やはり、うちのおとうさんは、死んでしまったのか。」と、勇吉は、つぶやきました。
「ううん。」と、おじいさんは、同情するようにいって、勇吉をば見ました。
「きょうは、おまえさんひとりなのか。おかあさんは、どうなさった。」
「弟がかぜをひいたので、休んだのです。」
「それはいけないな。今度の戦争は、どれほど人を泣かしたか。まだかえらない人にもうひとり、思いだす人があるよ。」と、おじいさんはいいました。
「それは、どんな人ですか。」
「冬の寒い晩のことだった。露店の射的に、おかみさんがあかんぼうをだいて、カンテラのそばにすわっていた。そこへかくぼうをかぶった、学生さんがやってきて、じょうずに、ポン、ポンたばこをうちおとしたのだ。はじめのうちは、うまいなと思って、見ていたが、しまいに、おかみさんがきのどくになって、この女の主人も、たぶん戦争にいっているのだろうと思うと、だまっていられなくなって、『学生さん、すこしさっするものだよ。』といった。すると、学生さんはふりかえって、『おじいさんしんぱいしなさんな、ぼくは、一つだけもらって、あとはおいてゆきますよ。