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ほしのくんのにるいだ

新版・星野くんの二塁打

吉田 甲子太郎

吉田甲子太郎『新版・星野くんの二塁打』。同一底本的分册已合并为一书。收入:星野くんの二塁打、美しき元旦。

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,945 字 · 22 页

青空文庫

二

「では、まだ少し時間は早いが、これで終わりにする。みんな帰ってよろしい。」

わっと、うれしそうなざわめきをあげて、みんな帰りじたくをした。

二

高木光吉は、寒い風の中を大またにあるきだしていた。かれの心ははずんでいた。全校の代表としてのべようとすることばが、もうさっきから頭の中へ、いくつもいくつもうかんできているのだった。

丘をこえて、林ぞいの道へ出た。草は白くかれて、落ち葉が風にふかれて追っかけっこをしている。

「おーい。ノッポーォ、もっとゆっくりあるけえ!」

ふりかえると、なかよしの内藤が、せなかのランドセルをバタンバタンいわせながら走ってくる。高木はわらいながら立ちどまって、

「よーし、早くこい。」というように手をあげた。

ノッポは光吉のあだ名だった。かれは成績も級一番だが、体格もだんぜんずばぬけていた。ちびの内藤なぞは、かれの肩くらいしかない。

「ぼく、お正月の洋服をちゅうもんしにいったんだよ。そしたら、洋服屋のおじさんめ、『四年生かね。』ときくのさ、いやになっちゃった。」

と、そばへくるなりそういって、光吉とうでをくみながらあるきだした。

「うふふふ……そりゃ、だけど……。