轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ほしのくんのにるいだ

新版・星野くんの二塁打

吉田 甲子太郎

吉田甲子太郎『新版・星野くんの二塁打』。同一底本的分册已合并为一书。收入:星野くんの二塁打、美しき元旦。

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,945 字 · 22 页

青空文庫

四

」

そうだ! 着物がなんだ。

「わかりました。おかあさん!」

「ほんとにわかったのかえ。いい着物が着られないから学校の名誉があげられないなんて、かりにも考えるようではだめですよ、光吉。」

「わかりました。ぼく、学校やクラスの名誉を傷つけないような、りっぱなあいさつをきっとしてみせます。」

光吉は大きな声で返事をしてニッコリわらった。

母もわらって、かがりかけたハンケチをとりあげた。

十六燭の電燈が急にぱっと明るくなったように思われた。

四

光吉の父親は鉄道の駅員だったが、五年まえに事故のために殉職した。その後、母は、女手ひとつで光吉をいままでそだててきたのだった。

母は、午前中はある病院のそうじ女として働き、帰ってからは輸出向きのハンケチのへりかがりを内職にしていた。どちらも大した金にはならなかったので、光吉にやぶれない、さっぱりした洋服を着せておくことはむずかしかった。

ゆうべ光吉にああはいったものの、母もあのつぎだらけの洋服で、わが子をはれがましい式場の壇の上に立たせたくなかった。なんとかして、お正月までには新しい洋服を買ってやりたいものだ――心の中ではそう思っていた。