轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りょかんについて
旅館について
山本 周五郎
「朝日新聞 PR版」1965(昭和40)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,912 字 · 16 页
私が渡ってゆくと、下の池で食用蛙――だろうと思う――のやつが鳴いた。それが「ばかやろ、ばかやろ」というように聞えるのである。水を壜に入れて戻るときも、やつはまた「ばかやろ、ばかやろ」と聞える。私は聞えないふりをし、座敷へはいるなり扇風機の向きを直して、風の中に坐り、水割りを作って飲んだ。あの呑んだくれの女中を呪い、消えてしまった三人の同伴者に悪口をあびせかけながら。しかし悲しいことに、タンサン水の壜は小さいので、水割りを二杯も作ればからになってしまう。
「立てよ、ぶしょうをするな」と私は自分をはげました、「いい運動じゃないか」
私は五回、渡り廊下を往来した。片道が約二百メートルとみて、往復五回だとするとほぼ二キロあるいたことになる。池の食用蛙らしい蛙のやつはそのたびごと、さも面白そうに嘲弄するのである。初めは「ばかやろ」というふうに聞えたが、次には「ざまみろ、ざまみろ」とも、また「ごくろさま、ごくろさま」というようにも聞えた。
「よしよし、なんとでもぬかせ」私は水割りを啜りながらやり返した、「おまえなんぞは人を嘲弄するほかに、なんの芸もないんだろ、かなしいかな、池の中からな」