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にちにちへいあん

日日平安

山本 周五郎

「サンデー毎日臨時増刊涼風特別号」1954(昭和29)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,297 字 · 56 页

青空文庫

六

「いやまあ聞いて下さい、こうなんです」

菅田平野は自分の計画を語った。

敵は井坂十郎太が江戸へいったものと信じている。そこで、「十郎太は江戸へいったのではなく、城下にいて同志を集め、奸臣誅殺の密謀をめぐらしている、某日某刻、一味は某所で会合をひらいている」ということを敵に知らせてやる。敵は必ずその「某所」へ押寄せるだろう、その隙にこちらは陸田精兵衛を奪い返す。というのであった。

「しかし」と関口兵次郎が云った、「――われわれが密会しているということを知らせて、はたして、かれらがひっかかるでしょうか」

「むろん内偵させるでしょう」と菅田平野は云った、「――だからここにいる六人と、他の四人、守島、八田、広瀬、島口の諸兄もいっしょに姿を隠す、つまり全部がここへ集まるんです。かれらは密告された十人の在否を内偵するでしょう、そして全員がその家にいないとすれば、某所で集合しているという密告を信ずるだろうし、即時に一網打尽の手を打つに違いないと思う、どうでしょう、みなさん」

六

井坂十郎太がまず頷いた。彼は菅田平野の計画をすばやく検討したらしい、しっかりと頷いて、「それでやろう」