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にほんのぶんめい

日本の文明

大隈 重信

「教育時論 第七百八拾貳號」開發社、1907(明治40)年1月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,737 字 · 13 页

青空文庫

実にこれは天地の大原理である。

次に新日本の文明の一成功は、完全なる教育の独立を確定したことである。従来世界の各文明国では宗教を以て教化の根源としたのであって、宗教には各々その本尊が有る。基督教のゴッド、仏教の仏の如き本尊が有る。各宗教に各異の本尊が有れば人心の帰向を異にするからして、文明の統一は信教自由ではほとんど得られない。これ各国に国教の制度が有る理由である。しかしながら信教の自由は文明の通義であるからして、この通義に背かぬように、然かも文明の統一を失わぬがためには、宗教以外にあるものを要するは明白な道理である。而してそのあるものとは、人道を措いて他に無い。人の人たる道は唯一無二であって、その証明は心理学の唯一なることである。但し民族心理学は、民族によってその心理に多少の相違あることを説くけれども、これは唯一の人心が異なれる風土、異なれる物質、異なれる生活に適合せんがための変化であって、決して人心の唯一なることの反証にはならぬ。世界の各所に発達した文明が一所に集合せられ比較せられて、真は真、善は善と確実に決定し、従来の狭隘なる見地よりの判断、もしくは感情的独断は排斥せられて、ここに公明正大なる人道が発揮せられ、而して新日本の教育はこの公明正大なる人道を根底として、宗教より独立して発達したのである。