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にほんのぶんめい
日本の文明
大隈 重信
「教育時論 第七百八拾貳號」開發社、1907(明治40)年1月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,737 字 · 13 页
かく発生の根原は異ならぬけれども、一見全く別種の人類、別種の両文明の如き差異を生じて、人をして到底調和の道が無いかの如く感ぜしめるに至ったのである。
かくて西向文明の発達は羅馬後、一時非常なる頓挫を来したのであったが、ルネーサンス期から、宗教、学術の勃興と学理の自由研究と共に、この三、四百年再び生気を発して、ことに非常なる長足の進歩を遂げたが、東漸文明は依然旧態を保持しておったからして、東西文明の隔たりは益々甚だしく、世界の文明とは即ち欧羅巴に発展した文明のみ、また欧羅巴人のみ独立の人類であって、他は一段下れる人類、欧羅巴人に支配せらるべき人類なるかの如く成り来ったのである。これは実に十九世紀後半までの大勢であって、宗教の如きも基督教以外に真宗教無しとし、他の宗教者を目するに異宗徒を以てした。この異宗徒とは旧日本の穢多という言葉の如く、極端に人を卑しむ言葉である。随って独立なる人類の守るべき道徳は、異宗徒間には無いものとし、欧州人は世界至る所に跋扈し、白皙人の世界、白皙人の宗教道徳のみという観の有ったのは十九世紀の半ばまでの大勢であって、回顧すれば、これは誠に東西に分派した文明が、互いに相隔離せる極点に達した時であった。