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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页

青空文庫

だと、「文学的」リアリスト達は讃美する。更に又、現代の匿された形而上学の内には、進んで弁証法を包括し或いは弁証法に立脚すると考えているものさえあるのである。(観念論的)弁証法は古来から今日に至るまで曾て絶えたことがないとさえ云えるばかりではなく、今日に至って愈々本当の(神学的な!)弁証法に到着したのだと、一種の覆面形而上学者は誇っている。

そこで私は、以前、色々の機会に、形而上学というもののも少し別な規定を必要とすることを述べたのを思い出さねばならぬ。それによると、現代の形而上学は、推しなべて――機械論的であろうと弁証法を僣するものであろうと――解釈の哲学に他ならぬのである。現代ブルジョア哲学の勝れたものも愚劣なものも、その殆んど凡てが解釈の哲学であることによって正に形而上学であり、そういう意味の形而上学であることによって、特に積極的に観念論の名に値いする、と考えられる。云うまでもなく形而上学(従って又観念論)をこう規定することは、唯物論の歴史に於ては決して新しい着想や落想ではない。人も知る通り、資本論に於けるマルクスの有名な短い言葉の内に、すでに之は約束されていたものなのだ。