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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页

青空文庫

だがこの点も亦文学者のインテリ的自信と別なものではない。――問題はこの資本制下に於けるインテリの能動性・積極性を、如何にして資本制から独立させるかにある(資本制的階級〔対立〕から独立させるのではない)。文学者に於けるインテリ的能動性・積極性に於ても亦、問題はそこにあった筈である(もしそうでなければもう一遍根本的に批判し直す必要があるが)。だから問題は更に、まず第一に資本制下に於ける生産技術家の有能性を如何にして資本制から独立させるかに存するのである。

吾々は文学者やサラリーマンの知能などを中心としてソシアリスティックな建設の基本的な契機を期待し得るとは信じない。そしてこの建設に於ける技術的インテリゲンチャの積極的な能動的な役割と、それに課せられた社会支配組織上の限界とが、一般に(又独り日本に限らず)、インテリゲンチャ――社会に於ける知能分子の――積極性と消極性とになるのである。

マルクス主義的インテリゲンチャ論に於ては、社会の基礎的構造である生産機構から云って、初めからインテリのこうした積極性と消極性との本質が横たわっていたのであるが、それが日本に於ては数次のインテリ論を通じて、否定又は肯定の仮象として夫々現象したのであった。