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ファルスについて
日本文化私観 坂口安吾エッセイ選
坂口安吾『日本文化私観 坂口安吾エッセイ選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:FARCE に就て、神童でなかったラムボオの詩、花田清輝論、スタンダアルの文体、大阪の反逆。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,974 字 · 47 页
プローズでは、已にエドガア・ポオ(彼には Nosologie, Xing paragraph, Bon-Bon と言った類いの得体の知れない作品がある――)あたりから、此の文章法はかなり完璧に近いものがあるし、劇の方では、仏蘭西現代の作家マルセル・アシアルの「ワタクシと遊んでくれませんか」なぞは、この方面の立派な技術が尽されている。
ところが日本では西洋と反対で、最も時代の古い「狂言」が最もロジカルに組み立てられ、人物の取扱いなぞでも、これが西洋の近代に最も類似している。
で、西洋近世のロジカルなファルス的文章法というものは、本質的には実に単純極まりないもので、「AはAである」とか、「Aは非Aでない」と言った類いの最も単純な法則の上で、それを基調として、アヤなされている。語の運用は無論として、筋も人物も全体が、それに由って運用されていると見ることも出来る。マルセル・アシアルの「ワタクシと遊んでくれませんか」をどの一頁でも読みさえすれば、この事は直ちに明瞭に知ることが出来よう。が、このロジカルな取扱いは、非常に行き詰り易いものである。アシアルにしてからが、已に早くも行き詰って、近頃は、より性格的な、より現実的な喜劇の方へ転向しようとしているが、ファルスと喜劇との取扱いの上に於ける食い違いが未だにシックリと