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にっき
日記
宮本 百合子
26 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,562 字 · 16 页
二月二十八日
二月二十八日
寿江子に手紙かいて貰う。
この間うちから、朝体が大儀で起きにくかったのが、きょうは我まん出来ず、夕飯迄床にいる。背中の肝ゾーの裏の痛いわけ、夕飯のとき皆のごはんをよそっていて分った。椅子の上で体をねじる丁度そこがつれて、いつの間にか一種こってしまったらしい。
肝ゾーがあやしいのではないかと、きょうあたりは神経を相当に立てたが、これで一安心した。そして少し滑稽にもなる。
自分をいれて四人の御はんをよそうのに、いくら健啖と云ったところで昨今のことだもの二度ねじりもしないだろうのに。
自分がひとり気にしてしょげた心持や安心したこころもち思うと可笑しい。
午後、かきもち焼こうとしてお醤油もって来て下さいナといったら、家じゅう一たらしもございませんと云った。
夕飯のときは、非常用と称してこげくさいのが出て来た。
Gどうしていることか。
小さい利口で私に向い、うそでこしらえた話して来て、今かけつけても来られないのだろうと可哀想に思う。おっかさんが万事心得ているのは不快なり。そしてその卑俗さで娘をもあやまっている。律儀さがないああいう境遇の女親がいつの間にか娘をめかけのようなものにしてしまう過程が、あすこにも隠見している。