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めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館 、1946(昭和21)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,984 字 · 43 页

青空文庫

「拝見つかまつります」お笛は楓の植わっている半胴を両手で押え、美しい指でしずかに撫でまわした、「さかしらを申してお恥かしゅうございますが、やはり饒州のほうが同じ白でも澄んでいるように存じます」

「それを白の秘色というのだ」

「肌理の密かな、手触りにしっとり厚味のあるところも、やはり饒州のほうがすぐれているように存じます」

白魚をのべたような指で、飽かず鉢の肌を撫でているさまは、どうやら唯の軽薄ではなく心からたのしんでいるようすである、勘太夫すっかり嬉しくなってしまった。

「ではこちらを見ろ、これは薩摩の青磁だ、色の冴えないのは瑠璃南京を写したものだろう、家中にも草木いじりをする者はあるが、たいてい石台か花壇植えで、このように多く鉢を使っているのはわしくらいのものだ。それから向うに見せるものがある、ついてまいれ」

こんなわけで、老人は半刻あまりお笛を相手にすっかり熱をあげてしまった。

「どうもおれは人が好すぎる」その夜勘太夫はいまいましげに舌打ちをした、「あいついかにも焼物が好きなような顔をするものだから、ついひっかかって乗せられてしまった、こんなことでは性根を掴むどころか、あべこべにこっちが鼻毛を読まれるくらいのものだ、もっと要心してかからぬととんだ