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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

12 その十一 稲妻は見たり

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页

青空文庫

あとは張りこんで時田や由也の遊ぶ現場を見届ける一手と、相当な収穫に喜んでいったん報告のために署へでると、佐々警部補が彼の顔を見るなり、

「オイ。どこでウロウロしているのだ。浅草の質屋からまた報告があって、例の天下名題の茶器は質入れの当人がうけだしているじゃないか。受けだしたのは、私がお前に調査を命じたその日の夜のことだ。今まで何をボヤボヤしていたのだ」

今度は要心して、その当人や当の店の者に直接会って話をきかなかった。今度はそのために、また失敗してしまったのである。

遠山はまったく元気を失い、次の非番の日にションボリ重太郎に報告した。重太郎は彼を慰めて、

「こうなれば仕方がない。とにかく張りこんで由也の遊ぶ現場をつきとめましょう」

「イヤ、イヤ。もうダメです。由也の父母はすでに三四日も前に旅から戻ってきました。彼は今までのように大ッピラに遊べなくなったのです」

「しかし、今回両親が不在になるまでは外泊したことがないというのだから、彼の特別な遊ぶ方法があるのでしょう。それを突きとめるのは、むしろ重大と思いますが」

「なるほど、それもそうだ。それでは行ってみましょうか」