轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
14 その十三 幻の塔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,140 字 · 31 页
このメクラはニセモノだぞ、たしかにクサイ、と自分がニセモノであるために、ベク助は即座にこう断定した。
なるほど、お吉の片目は白目だけだし、片目は細くて、赤くただれ、黒目がちょッとのぞけて見えるだけだが、ただれのためにメクラとしか見えないけれども、いくらか見えるに相違ない。ちょうど帰りが一しょになったから、話しかけて、秘密を知りたいとは思うが、ツンボでオシが喋るわけにいかないから、暗闇を幸い、見えがくれに後をつけると、芝山内の近くまで長歩きして、大きな邸宅の裏木戸をくぐって行く。
幸いあたりは人通りがないから、ベク助はそッと塀をのりこえて邸内へ忍びこんだ。
使用人の住宅もあるから、燈火のもれているのを一ツ一ツのぞいて行くと、本邸の洋館広間に主人と三太夫らしい人物とお吉の三人が話をしている。わりに窓に近くて、お吉の声がカン高いから、お吉の声だけわりとハッキリききとれる。
「金三さんの話では、今度の大工はニセツンボだてえことでした。金三さんはニセツンボに年期を入れていますから、一日二日でニセと分ったそうですよ。どうしても音のする方に顔がうごきますからねえ。