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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
14 その十三 幻の塔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,140 字 · 31 页
ですが、なりたてのニセモノにしては出来た野郎だてえ話でした」
お吉の声である。ベク助はおどろいた。オヤオヤ、下男の金三もニセツンボで、コチトラだけが見破られるとは呆れた曲者。上には上があるものだ。
男の声はききとれなかったが、どういう筋から雇い入れたか訊いたらしい。お吉の返事で、
「七宝寺のナマグサ坊主ですよ。住職が三休てえ蛸入道で、その子の五忘てえガマガエルの妹がお紺てえホンモノのツンボで島田の女中にやとわれている事。蛸入道もガマガエルも芝で名題の悪党ですから、何かたくらんでいるのに相違ないと金三の話でした」
それから話は金三に尚とくと大工を見はれと言ってるらしく、まもなくお吉は立ち去った。
すると、それと入れちがいに奥から二人の若者が現れた。その二人に見覚えがあるので、ベク助は、
「ヤ、ヤッ」
と心に叫びを発した。二人は島田道場の門弟だ。一人は平戸久作の倅、葉子の兄の一成であるし、一人は大坪鉄馬という門弟中でも一二の俊英、師の信任をうけている高弟であった。
お吉の代りに若者が相手になると主人の声もはずんできて、ツツヌケにきこえる。
「平戸久作も小金に目がくらんだか。