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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
14 その十三 幻の塔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,140 字 · 31 页
必ず何かが起る。容易ならぬことが起るであろう。何が起るか知れないが、オレが本腰を入れるのはそれからだ、とベク助は考えていた。
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それは婚礼の夜のことだ。婚礼と云っても、極めて内輪の集りで、島田幾之進、平戸久作、いずれも妻女をなくして一人身、二人の父と門弟、サチコが集ったのみ、つまり毎日の顔ぶれにヨメとその父が加ったというだけのことだ。
道場で祝言をあげ、座敷で酒宴をひらく。平素酒をつつしむ島田道場で一同が盃をくみかわすのは正月の元日でも見ることのできない風景である。
平素きたえにきたえた一同も、酒の方ではきたえがないから、早くも酔って、座は甚しく賑やかに浮き立っている。酔わないのは、サチコとオヨメさんだけ。幾之進も三次郎もやや御酩酊である。
オヒラキのあとではお紺に金三の両ツンボが酔いつぶれ、お吉アンマもヘドを吐いて暫時ねこむていたらくであった。
ところで、翌朝のことである。
酔ったおかげで早々と目のさめたお紺が、別宅の新郎、新婦のお目ざめの様子を見て、まだモーローといたんで霞む頭をもてあましながら、別宅の台所へやってきた。