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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
稲吉は流しにでているから、二階に売れ残っているのは角平ひとり。さッそく身支度して階下へ降りる。出会い頭に便所からでてきたのは弁内。
待っていてくれた妙庵の代診仙友とともに三人一しょに外へでる。十時半ごろだった。四ツ角で、右と左に弁内と別れると、仙友は角平にささやいた。
「例の通り、よろしく、たのむぜ。先生のイビキ声がきこえるとオレはぬけだすから、患者が戸を叩いたら、今日は休みでござんすと断ってくれ。先生にわからねえように、な」
仙友はオヒネリをだして角平のフトコロに押しこんだ。
妙庵は持病の神経痛がおさまると、大酒のんでアンマをとってねむる。ふだん睡眠が足りないから、こういう時には正体もなくグウグウと屋根がゆらぐようなイビキをたててねこんでしまう。代診の仙友のほかには下男も女中もいない。ふだんコキ使われている仙友にとって、ゆっくり羽をのばしてくる好機であるから、妙庵のイビキ声とともに、後をアンマにまかせて一パイ飲みにでるのである。
角平が到着すると、妙庵はサカズキをおさめて、ネマキに着替えて、横たわり、
「陽気がいいせいか、今夜は特別酒がしみるな。