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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
あんまり強くもんじゃアいけないぜ。軽く全身のシコリをほぐすように、ゆっくりと静かに、さするとみせてもむようなアンバイ式にもみほぐすんだよ。オレが自然に寝がえりを打たないのに、オレのカラダをヒックリ返しちゃアいけないよ。手のとどかねえ下の方にも手をまわしてもんでくれるのがアンマの親切というものだ」
口うるさい妙庵、そうでもない、こうでもない、強すぎる、弱すぎると一々文句をつけているうちに、ゴオンゴオンと大イビキをかきはじめる。
妙庵の夜食をさげて後始末を終った仙友、イビキ声にほくそ笑み、見える筈のないメクラの角平に目顔で別れを告げて、イソイソと立ち去った。
彼の行きつけの一パイ飲み屋はオデン小料理の小さな縄ノレンの家である。その店でも大切にされるお客ではない。
妙庵があんまりはやらないヤブ医者だから、その代診の仙友は、実は下男代りのようなもの。給料なんぞもイクラももらッちゃいないから、妙庵がアンマをとって眠る晩に、稀れに抜けだして一パイのむのが手一パイというフトコロ具合であった。それでも当の本人は女中のオタキに惚れて、せッせと通っているツモリなのであった。