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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
ところがその晩はオタキの情夫か何か分らないが、若い色男のお客のところへピッタリくッついたきり、オタキは仙友の方なんぞは振りむきもしない。
四本五本とヤケ酒をひッかけて、そのたびごとに、
「オイ。オ代りだ!」
大きな声で怒鳴っても、てんで相手にしない。
「チョッ。畜生め!」
しかし、モウ、それ以上は軍資金がつゞかないから、
「覚えてやがれ。テメエだけが女じゃアねえや。アバヨ」
と、外へでる。にわかに酔いがまわってきた。そして、それからどうしたかハッキリした覚えがないが、どうやら方々うろつきまわったようである。ころんだり、ぶつかったりしたようだ。
けれども家へ戻ると、さすがにいくらか正気が戻ってくるのは、よっぽど妙庵先生が怖いのだろう。とは云え、酔っ払いの荒々しい動作が全然おさまりはしないから、
「シッ!」
角平にたしなめられて、
「ヤ。角平か。すまねえ、すまねえ、どうも、長時間、相すみませんな」
柄になく、あやまって、匆々に寝床にもぐりこんだ。彼が一パイのんで戻ってくるまで、患家の使いを撃退役にアンマをもみつづけてもらうのがいつもの約束であった。
仙友が戻ってきたから、角平はさっそくアンマをきりあげて、立ち上る。