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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
他の人の下駄を探ってみると、まだお志乃の下駄がない。目のない彼らは、こうして人々の帰宅を知り、最後に戻ってきた者が戸締りをすることになっている。
弁内も稲吉もぐッすりねこんでいた。彼もフトンをひッかぶった。一足おくれて戻ってきたのはお志乃であった。お志乃が戸締りをした。お志乃はチョウチンをぶらさげて戻ってきたから、下駄を手でさぐる必要はない。彼女だけは燈りの必要な不自由な人間の一人であった。
と、次に角平はけたたましい叫び声をきいた。お志乃の声だ。
「タ、タ、大変! 助けて!」
やがてお志乃が高い山を登りつめたように息をきらして這い上ってきた。
「おッ母さんが殺されてるよ」
報らせをうけて到着した警官がオカネの死体にさわってみると、もう冷くなっていた。絞殺されていたのである。
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オカネの寝床やアンドンは片隅にひきよせられ、部屋のマンナカのタタミがあげられ、ネダ板が一畳分そっくり一枚一枚外されて、ボッカリ大穴があいていた。泥のついた壺が一ツ穴のフチのタタミの上においてあったが、それは縁の下からひきあげたものであろう。壺のフタは外され、中味はカラであった。