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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
その綱の端を、どこかしっかりしたところへ結びつける必要がある。ああ、これがいい、ここに鉄の棒が出ているから」
その鉄の棒は、塀をつくるときに、骨組としていれたものであったらしい。それに少年たちが持ってきた綱を結びつけ、それから綱をおそるおそる井戸の中へたらした。
「下へついたか」
「うん、まだまだ。……あっ、今、綱の端が下についたらしい、ずいぶん深いね。十五メートルぐらいある」
「深い井戸だなあ」
「さあ、誰が先に下りるか」
「よし、ぼくが下りる」
そういったのは八木だった。彼は探偵長だったから、自分が一番はじめに下りるのがあたり前だと思った。
「大丈夫かい、入る前に、よく中を見た方がいいんだが、懐中電灯を紐にぶら下げて、中を見ようか」
「いや、そんなことをしたら、悪いやつに見つかるかもしれないよ。どうせ下りるなら、くらがり井戸をそっと下りて行く方がいいと思う」
八木はそういった。
「よし、君の好きなようにしたがいい、そのかわり、もし危険を感じたら、この綱をゆすぶるんだよ。それが信号さ、SOSの危険信号さ。するとぼくたち四人は力をあわせて、すぐこの綱を引張りあげるからね、君はしっかり綱につかまっているんだよ」