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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
そう思った八木は、とことことトンネルを歩きだした。
行きついてみると、その明るい場所は、トンネルの曲りかどになっていた。明りは右手からさしこんでいる。その右手をのぞきこむと、扉があった。
その扉は、さびた鉄の扉だった。
ハンドルがついていたので、それをにぎって、扉をあけようと、いろいろやってみた。しかし扉はびくともしなかった。さびついているのかもしれない。
(この扉があくと、きっと、おもしろいことが分るんだろうが、ざんねん……)
そのときであった。八木の立っているところが、急に光がかげったように暗くなった。
「おや」
と、八木は上へ仰向いた、光は天井からさしていたので、それがどうして暗くなったのかと上を見たのだ。
「おお、あれは何だ……」
八木少年の頭上五メートルばかりのところに、あついガラスをはめこんだ細長い天井があった。そのガラス天井は、よごれてくもっていたが、そのガラス天井の上を、黒い楕円形のものがゆっくりと動いているのであった。
「ふしぎなものを見つけた……」
おそろしいことはおそろしいが、すばらしい発見だ。
なおもよく見ていると、その黒い楕円は二つあって、一方が動いているときは、他方はじっとしている。