轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くらいそら

暗い空

小川 未明

「早稲田文學」1908(明治41)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,106 字 · 11 页

青空文庫

五

で、長い梯子を見上ていると何んでも猿のように自分が敏捷く走って上って行って桶の裡を覗いて見て、また敏捷く走って下りて来る時の様子がありありと目に浮んだ。

私はまた四辺に人気はないかと注意した。やはり一人の姿すら見なかった。私はこの時こう思った。若し人が何処かに隠れていて私の様子に注意しているものなら私がこの梯子に上りかける様子を見たならきっと、怒鳴付けるであろうと、私はわざと二三度梯子に足を踏みかけて、上って見るような真似をやって見た。けれど誰れも声をば掛けなければ怒鳴付けるものがなかった。

私は遽に上て見ようと決心した。で、最初の一歩、三歩は試みの考えで踏み上って見たが、いつしか五段、六段と上るにつれて「何うせ此処まで上った位なら上って見届けて来よう。」という冒険的の考えが萌して遂に私は上って行った。なかなか空想で、猿のように早く上れると思ったが、それどころでない。非常に梯子の幅が狭くて、二本の足を並べて立つことも容易でない程に、且つ甚だ勾配が急である。加えて鉄の角が堅くて、掌が痛くなった。次第に高く上るにつれて目が眩んで来る。

五

もはや下を向て見る勇気が出なくなった。