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とうきょうようさい
東京要塞
海野 十三
「サンデー毎日」毎日新聞社、1938(昭和13)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,341 字 · 37 页
正直なところ、わが国民は某大国のこの好意に面喰った。何につけ彼につけ日本の邪魔ばかりをしている憎い奴だと思っていた某大国から、この由緒ある途方もない大きな贈物をおくられて、愕かぬ者があろうか。
その忠魂塔は東京市に建てられることになった。そのために市の吏員は、敷地を公園にもとめて探しまわった結果、S公園内に建てるということに決った。そして大急ぎでもって御影石の台石を作ることになった。
東京市内では、この忠魂塔のことでよるとさわると話の花が咲くのであった。
「あれで見ると、某大国もやっぱり日本に敬意をもっていないわけじゃないんだね」
「うん、僕も平生すこし悪口をいいすぎたよ。あの記念塔は写真で見たが、高さが五十メートルもあるというから、とてもでっかいものだよ。塔下の一番太いところの直径が二メートル近くもあるそうだからね」
「ほほう、そうか。たいへんな物だね。そんな大きなものをどんな風にして日本まで持ってくるつもりだろうか」
「さあ。もちろん塔の途中からいくつかに小さく折って持ってきて、こっちで、接ぎあわすんだろうよ。そのままじゃ、とても船にも載せられないし、陸へあげても列車にも積めないし、町を引張りまわすことも出来やしないからね」