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こうせいのはなし
校正の話
中谷 宇吉郎
「図書」1954(昭和29)年10月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,488 字 · 6 页
従って、赤字の訂正は、一般には、ごく少なく、初校で校了ということも、そう困難ではない。
日本では、初校で、字句や文章の一部を直すことは、普通のことになっている。私なども初校を草稿くらいに考えていたので、大いに恐縮している。タイプライターでの浄書を、ゲラでもって代用していたわけである。
ギャリイ・プルーフで、文章の校正は済むので、ページ・プルーフの時は、比較的簡単である。図版の配置などは、出版社の方に専門家がいるので、著者の容喙する余地はあまりない。一番の問題は、字面である。ページにしてみると、改行の効果が、出る場合と、出ない場合とがあることに気がつく。例えば文章が行の終りに近いところで終り、次が改行になると、改行のトップが少し下がっているだけで、行としての余白がほとんどないことになる。したがってページが一面に黒く見える。
そういう場合は、出版社の方で、そのページに一行余分をとっておいてくれる。そして原文の意味を損ねない程度の言葉を、二、三語入れるように注意書きがしてある。それを挿入すると、前の文章が次の行の初めのところで終り、一行ちかい余白が出来て、改行ということになる。