轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

05 第五部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页

青空文庫

「こんな寒い時には、ぐいぐいはたらくに限るよ。室長なんかになるもんじゃないね。」

じょうだんめかして、そんなこともいった。ゆうべ各室で就寝前に行なわれた互選の結果、かれは第五室の室長になっていたのである。

次郎は吹きだしたい気持ちだった。同時に、心の中で思った。

(飯島のような人間はとうてい救えない。それにくらべると、田川大作のほうはまだ見込みがある。)

かれは、窓ガラス、窓わく、板壁、ふみ板と、上から下へ、つぎつぎに拭きあげて行きながら、おりおりそとをのぞいて飯島の様子に注意していた。そのうちに、飯島は急に何か思い出したように叫んだ。

「あっ、そうだ。僕はここだけにへばりついていては、いけなかったんだ。」

そして、次郎のほうをちょっとぬすむように見ながら、

「第五室は、管理部として全体の責任を負っているんだからね。僕、一まわりして、様子を見て来るよ。」

飯島は、そう言うと、いかにもあわてたように、あたふたと廊下に足音をたてて去った。

朝倉先生は、かつて次郎に、「現在の日本の指導層の大多数は、正面からは全く反対のできないようなことを理由にして、自分たちの立場を正当化したがるきらいがあるが、そうしたずるさは、ひとり指導層だけに限られたことではないようだ。