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ぼこうふっこう
母校復興
佐々木 邦
「現代」大日本雄辯會講談社、1926(大正15)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,891 字 · 15 页
「何うしても狡いものが成功しますよ」
と教頭は長年統計を取っているように言った。
「これは恐れ入る」
「ハッハヽヽヽ」
「時に先生は煙草は召上らないんですか?」
「いや、戴きます」
「一つ如何ですか?」
と営業課長は銀の巻煙草入れをパチンと開けて、店から二割引きで仕込んで来た金口を一本寄進についた。
「松本君、君の弟さんはナカ/\成績が好いよ」
と、もう一方では校長が松金という一流割烹店の亭主を捉まえていた。
「何う致しまして。怠けもので困ります」
と松本君は自分の在学時代は棚へ上げた。
「いや、君とは少し違うようだ」
「恐れ入りますな」
「ハッハヽ、冗談は兎に角、素直で好い子だ。時に御商売の方は相変らず忙しいだろうね?」
「いや、不景気でカラキシ閑ですよ。先生方の懇親会の折は何うぞ仰せつけ下さい。特別にお計らい致します」
「おや/\、宣伝を始めたぜ」
と海軍少佐が横から冷かした。
「海軍省は忙しいでしょうな?」
と老校長が訊いた。校長も教頭も世間を知らないから、至って話題に乏しい。唯忙しいか何うかばかり尋ねている。
「忙しいと好いんですが、例の軍縮で頗る危険です」
と少佐は首を案じていた。