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ひかくしんわがく
比較神話学
高木 敏雄
在线阅读高木 敏雄《比較神話学(ひかくしんわがく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,624 字 · 348 页
而してまた、秋は紅葉の時節なるの故を以て、龍田姫は、又、紅葉を司る神となりぬ。若し秋の紅葉は、冷かなる秋風の賜なりとすれば、龍田姫は紅葉の神としても、その風神たる性質を、尚持続するものと云う可し。但し龍田姫を以て、秋の神なりとし、紅葉を司る神なりとするは、寧ろ詩的神話の与えたる変化にして、国民本来の風神神話の、説く所には非ず。日本国民の文学的製作は、殆んど叙情的の一面に限られ、其題目は、主として自然と恋愛となりき。秋の紅葉は、叙情詩の題目の一にして、龍田川の紅葉の錦は、龍田姫の織りなす所として、或は秋風の神の賜として、遂に龍田姫を以て、秋風の神とし、紅葉を司る神とするに至りしなり。詩的思想の発達上、この変化は甚だ自然の結果なりと、云わざるを得ず。紅葉を染めなす、秋風の神格化として、龍田姫は、太陽と多少の親縁ありと云う可し。
佐保姫に至りては、古史神話の神統論は、其名を示さざるが故に、その如何なる宗教的意義を有するやを云う能わざるも、赫夜姫と等しく、純粋の詩的神話の神格にして、何等の宗教的意義をも、有せざるが如し。佐保姫或は佐保山姫と云うは、蓋し佐保山の神の義にして、此山の位置が、奈良の都の東方に当りしより、此神を以て、春の神とするに至りしにて、龍田姫が西方に在りて、秋の紅葉の神なるに対して、東方の佐保山