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えいきゅうへいわのせんけつもんだい
永久平和の先決問題
大隈 重信
「大觀 第二卷第一號」大觀社、1919(大正8)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,090 字 · 22 页
誤れる民族主義
素と人間には儼然として侵すべからざる権利が存在するもので、これは万人に渉って等しく固有なるべきはずのものである。天賦人権の語はルーソーを仮りて初めて世に現れた如くであるけれども、この思想は豈必ずしもルーソーを待って初めて有りと言わんや。即ちこの思想は不言の万人の胸中に自ずから共通に存在するもので、その語のみがただルーソーの唇頭より初めて迸り出たというに止まる。この権利の観念からして、個人主義なるものも現れた。この権利の観念からして、自治制度も編まれた。この権利の観念からして、憲法も制定された。この権利の観念からして、議会も開設された。而して各個人が等しくこの天賦の人権を完全に擁護せんと欲するの思想は、自ら神は愛なりという思想と抱合し、ここに自由、平等、博愛、正義というが如き諸観念を産出したもの、これに依って仏国革命も米国独立も将来されたものであった。然らば民族自決というが如き事は、当然以上の諸観念の中に十分に抱合さるるものに相違無いので、今更その是非を論ずべきゆえんのもので無い。
誤れる民族主義
基督教の信条たる全人類的意識が吾人に現れ始めた初頭から、かの固陋偏狭なる民族主義は渙然として解体し去るべきであるのに、何事ぞそのままに推移して十八世紀の末に至り、ついに爆発して仏国大革命を現出したが、この時にこそ