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でいたんちそうわ
泥炭地双話
中谷 宇吉郎
美しき泥炭地「科学と芸術」1946(昭和21)年3月<br>泥炭地の物理「農業朝日」1946(昭和21)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,790 字 · 12 页
泥炭地の物理
その真偽のほどは知らないが、泥炭地の開発は今後国家的の事業として、大きく採り上げられることになるであろう。やがては、こういう土地にもトラクターが走るようになるかもしれない。そういう日が来たら、何よりも先に、此処に住む人たちに、この土地の晩秋の色の美しさを教えてやりたいものである。
(昭和二十一年三月)
泥炭地の物理
私たちは今度農業物理の研究所を作ろうとしている。その話をきいて、友人のS君がやって来て、その研究所で一つ泥炭地の農業物理的研究をやってみないかという話をもちかけた。
この頃火のついたように食糧問題がやかましくなり、それについて新しい土地の開墾を奨励する声が盛んに挙げられている。しかし北海道のように広い所でも、そうすぐ簡単に開墾が出来るような土地は殆んど残されていない。今残されている所は釧路や根室の原野の湿地帯か、それで無ければ泥炭地方である。その湿地帯の方は雨期には馬が溺れるような所で、とても急に手をつけるわけには行かないが、泥炭地ならば、何とかなるはずである。現に札幌付近の泥炭地などは、篤農家たちの三十年とか五十年とかの苦心の結果ではあるが、とにかく作物が出来ている。