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じんだいしのけんきゅうほう
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页
(これは『文選』に見えている王延寿の魯霊光殿賦のうちの辞句をとってそれを少しくいいかえたものであるが、このことについての詳しい考証は近く発刊せられるはずの『東洋史会紀要』第五冊にのせておいた。)このような出典などを詮索せずとも、この句を含む「令」というものの全体と神武紀の始終とをよく読んでみれば、「為宇」がこういう意義であることは、おのずからわかるはずである。「宇をつくる」と訓むべきこの「為宇」を、いつのころからか「宇となす」と訓み「宇」を譬喩の語として見るものがあったので、そこから八紘を一家とするというような解釈が加えられ、それによって上記の主張がせられたのであろう。こういう主張は、『古事記』の物語にもとづいたノリナガやアツタネ(篤胤)の思想にも一つの淵源があるが、近年の主張者はそれよりもむしろ『日本紀』のこの語を根拠としていたようである。そうしてこういうことのいわれたのは、誤った訓みかたから誘われたのではあるが、その訓みかたの正しいか否かを学問的方法によって吟味することなしに、特にこの句の用いてある文章の全体の意義を考えることなしに、この句だけをとり出してそれに恣な解釈をしたのであって、それはまた、古典を解釈するのではなくして、自己の主張のために古典を利用しようとする態度から出たことである。