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じんだいしのけんきゅうほう
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页
四
然るにこういうことがいわれるのは、日本とシナとを混同する考の上に立っているので、その考は『日本紀』をはじめとして日本の古典に漢文を用いるシナ思想によって書かれたものが多いところから、それと日本の現実の状態とを弁別することなしに、みだりに何ごとかを主張するためである。そうしてそこにも、こういう考が、古典の文字と思想との精細なる検討を基礎ともしなければならぬ学問的研究を無視したものであることが、示されている。
四
後世の思想で上代の状態を推測し、それが建国の初めから定まっていたことのように考える場合は、このほかにもなおいろいろあるので、皇室の万世一系であるのは国民的信念であったというようなことのいわれているのも、その一つである。一般国民が何らの政治的地位をもっていず、その文化その思想が低級であった状態から考えると、上代の政治において国家の形態についての国民の意見というようなものがはたらいていたとは考えられず、国民がそういう意見をもっていたということすら肯われないことである。民衆が中央の貴族及び地方の豪族、即ちいわゆる伴造国造に分領せられ、すべての生活がそれによって規制せられていた上代において、このような特殊のことがらに関し、すべての国民に共通な意見などがあったはずはないからである。