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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页

青空文庫

に見える君臣の語の意義は明かであり、『隋書』において臣の語が民の義に用いてないことはいうまでもないから、上に引いた辞句によって日本の上代の国家が家族的精神によって統治せられていたように説くのは用語の意義を考えず、近ごろになって用いはじめられた意義でそれを解するところから来たものであり、そこにこういう考の学問的でないところがある。古典の用語は古典時代の意義によって解するのが、学問的の方法だからである。もっともシナには、天子は民の父母というような語もあるので、それがこの場合に思いよせられているのかも知れぬが、これは天子に対して民を慈愛すべきことを教えたことばであり儒教思想から出た考であるので、いわゆる天子によって統治せられることになっているシナの政治形態の本質がここにあるというのではない。シナでも儒教思想に反対する学派ではこういうことを説いてはいない。もしこの語をそのように解し、そうしてそれによってシナの政治は家族的であるとするならば、家族的精神で国を治めることは日本の特色ではないことになるが、もともと日本の皇室の政治が家族的精神によって行われたというのは、日本の国家の特色をそれによって示そうとするのであるから、こういう考はそれと背反する。