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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页

青空文庫

わたくしの考によれば、神代の物語の根幹となっているものとジンム天皇以後のこととして記されている物語の主要なものとは、六世紀の前半のころにヤマト(大和)の朝廷において作られたものであって、その時代の治者階級の思想がそれに表現せられているから、そこに上代思想史の史料としての大なる価値がある。神代の物語などが歴史的事実を記したものでないということから、それを無価値のものとして斥けるのは、大なる誤である。普通に事実といわれるのは外部に生起した何らかの事件をいうのであるが、思想が実は歴史的存在であり大なる歴史的事実である。ところで歴史の研究には史料がなくてはならず、そうして厳密なる学問的方法によるその史料の批判の結果、確実なものと認められる歴史的事実の記載を基礎としなければならぬが、上代史のごとき史料とすべき文献の乏しい時代のことについては、よしその史料に確実なものとすべき歴史的事実の記載があっても、それだけでは歴史を知るに必要な多くの事実がわかりかねる。従って上代史の研究には文献だけでは知ることのできない学問上の知識、例えば日本及びその周囲の民族に関する考古学・民俗学・言語学などの研究の結果が重要なるやくわりをもっていること、またシナ及び半島の歴史の研究によって知られたことが大なるはたらきをするものであること