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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页

青空文庫

それと共に、中央集権の制度は中央の文化を地方の豪族などの間にひろげてゆくはたらきをしたので、地方の文化もだんだん進んで来た。これらの点では大化改新の前のに似よったありさまが次第に現われて来たのである。もっとも地方の富は半ばは中央の貴族の生活の経済的根拠となったのであるが、地方にそういう根拠があるということは、地方そのものに力があるということであるから、時勢の動きかたによっては、地方が中央を動かすようなありさまともなり得る力がそこに潜んでいたのである。

ところが、別の事情から武士というものが地方に興って来て、彼らの武力が、中央政府の政権をはたらかせるためにも、貴族の地位と勢力とをささえてゆくためにも、なくてはならぬものになってゆき、そうしてそういう武士のはたらきと上に述べたような経済上のありさまとは互にからみあっていたので、武士の首領だったものは地方の豪族であった。こういう武士が長い年月の間にだんだん勢力を得て、しまいにはそのうちから全国の武士の首領となるものが生じ、それが政権を握るようになったのが、いわゆる武家の政治であるが、その政権の基礎は各地方の武士であり、武士の領土、従ってその富の力であった。