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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页

青空文庫

と、こう考えたために、表面の話は不合理であるが、裏面に合理的な事実があるものと臆断し、神代の巻が我が国のはじめを説いているというところから、それを日本民族の由来を記したものと考え、あるいは国家の創業に関する政事的経略の事実を述べたものと説くようになったのである。そうしてこの思想の根柢には一種の浅薄な Rationalism が伏在する。すべて価値あるものは合理的のもの、事実を認められるものでなくてはならぬ。然らざるものは荒唐不稽の談である。世にお伽噺というものがある。猿や兎がものをいったり桃から子供が生まれたりする。事実としてあるべからざる虚偽の談である。それは愚人小児の喜ぶところであっても、大人君子の見て陋とするところのものである。然るに崇厳なる神典にはかかる荒唐不稽の談のあることを許さぬ。だから、それには不合理の語を以て蔽われている合理的の事柄がなくてはならぬ。こういう論理が存在するのである。

然らば合理的の事実が如何にして不合理の物語として現われているかというと、一つの解釈は、それは譬喩だというのである。昔の新井白石の取ったところがそれであって、彼はその譬喩の言から真実の意味を見出そうとして神は人なりという仮定説を捻出し来ったのである。