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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页

青空文庫

ここに述べようとすることは、二、三のこういう見解に対する余の感想である。というよりも、学界の風潮に対する余の観察とでもいった方が妥当である。余は本来、他人の学説を批評するを好まず、学問上の論争すらも寧ろ避けているので、これもまた或る学者の或る学説に対する批評というのではなく、学者に対する論難では猶さらない。

第一に気がつくのは、歴史的変化を軽視することであって、民俗学の方面からの上代研究には、ややもすればこの傾向があるのではないかと思う。民俗学の目的や方法について我が国の民俗学者に如何なる主張があるのか、余はそれを詳かにしないが、少くともその主として取扱う材料が現存する民間伝承や民俗であることは、推測し得られよう。古来の文献に現われている、即ち過去において知られていた、そういうものも、また同じくこの学の材料であるには違ないが、文献の常としてこの種の記載が乏しく、従ってそれに多くを望み得ないのである。ところで、現存の民俗や民間伝承から何が知り得られるかというに、既に民俗であり民間伝承である以上、それは過去から継承せられたものであることに疑いはないから、それによって過去の民族生活を考察することができるはずである。