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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

津田左右吉『津田左右吉歴史論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:神代史の研究法、陳言套語、東洋文化、東洋思想、東洋史、流れ行く歴史の動力、日本上代史の研究に関する二、三の傾向について、日本精神について、日本に於ける支那学の使命、日本歴史の研究に於ける科学的態度、日本歴史の特性、歴史の矛盾性。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 页

青空文庫

などにはならないものであることが知られたならば、こういう学説をそれにあてはめることは、全然、見当違いであることがわかるであろう。なお、個々の問題を考える場合にも、西人の学説もしくはその主たる材料となった西方の民族に関する知識によって臆測せられがちであって、かの奴隷の問題の如きも、上代には一般に奴隷制度があったという仮説と、日本の上代を考えるにも、すぐにギリシャやロオマが想起せられるのと、この二つから誘発せられた点があるらしい。もっともこれには用語による誤解もあるように見えるので、奴隷の訳語が今日一般に行われているのと、奴の字のあてられたヤッコが上代にあったのとのため、ヤッコの語義をもその状態をも深く究めずして、奴隷の訳語によって知られている如きものが我が上代にもあったように漠然思いなされた気味があるのではあるまいか。近ごろの国史家によって用いられている氏族制度という語と、家族、氏族、部族などと訳せられている西方民族の上代もしくは未開民族の間における種々の社会形態とを不用意に結びつけ、あるいはむしろこれらの訳語によって示されるようなものが我が上代の氏族制度であった如く考えようとするのも、同じことである。