轻松读懂日语经典作品
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りゅうせんスパイ
流線間諜
海野 十三
「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页
はッはッ」
「まだ有る。安心するのは早いぞ。――実は僕があのマッチ函から数本失敬して某所に秘蔵している。僕がここ数日間帰らないと、先刻云ったようにそのマッチと僕の意見書とが、陸軍大臣のところへ提出されることになる。そうなれば後はどんなことになるか君にも容易に想像がつくだろう」
「ウーム、貴様という貴様は……」
と、首領は全身をブルブル震わし、銃口をグイグイと帆村の肋骨に摺りつけたが、引金を引くと一大事となるので、歯をギリギリ云わせて射撃したいのを怺えた。
「さあ、撃つなら撃つがいい……どうして撃たないのだ」
「ウム――」
と相手は気を呑まれて一歩退いた。――と、エイッという気合が掛かって首領の身体は風車のようにクルリと大きく一回転すると、イヤというほど床の上に叩きつけられた。敵がひるんだと見るやその直後の一瞬時を掴んだ帆村の早業の投げだった。――死にもの狂いの相手はガバと跳ね起きてピストルの引金を引こうとするのを、
「この野郎!」
と飛びこんだ帆村がサッと足を払って、また転がるところを隙かさず逆手を取って上からドンと抑えつけた。
「さあ、どうだ」
主客はハッキリと転倒してしまった。