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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
ああわが艦載機の行方はいずこ?
× × ×
こちらは、飛行島であった。
恐るべきスパイ川上機関大尉は、今は冷たい骸となって横たわっているし、もう一人の杉田二等水兵は重傷で、病室に監禁してある。まずこれで連日の心配の種は、すっかりなくなった。今夜は枕を高くしてねむられるわいと、飛行島の建設団長リット少将以下、賓客のハバノフ氏にいたるまで、いずれもいい気持になってぐっすり寝こんでいたところであった。そこへ俄かに空襲警報、寝耳に水とは、まさにこのことであったろう。
それは飛行島はじまってはじめての空襲警報だった。
しかし、まさかここまで日本の飛行機はやって来まい。万一来るようなことがあっても、途中には幾段にも防空監視哨をこしらえてあるから、それに見つかって、香港あたりの空軍が渡り合うだろうくらいに考え、防空訓練は実は大して身を入れてやっていなかったのであった。
だから、さあ怪しい潜水艦隊と渡洋爆撃隊が飛行島へ攻めてきたということが、島内各部へ伝わると、上を下への大騒ぎとなった。灯火管制班が出動して電灯を次から次と消させてゆくが、なかなかうまくゆかない。