轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
暗澹たる空中に、母艦をとびだした艦載機の爆音が遠ざかって行った。
「柳下、しっかりやれ。頼むぞ」
誰かが叫んだ。
艦長以下幕僚たちはいずれも見えない空を仰ぎ、暗の空にとびだしていった勇士の前途に幸多かれと祈った。
その途端――
艦橋が、真昼のように輝いた。
哨戒艦の探照灯が、とうとうわが潜水艦をさぐりあてたのである。
艦橋に立つ艦長以下の群像は、濃いかげに区切られて、くっきりと照らしだされた。――探照灯は、もう釘づけになって艦橋から放れない。
「うふ。とうとうお眼にとまったか」
と、艦長はにっこりと微笑み、
「よし、では急ぎ潜航用意。総員艦内に下れ!」
と、号令した。艦は直ちに潜航作業にうつった。
艦長が一声叫べば、あとは日頃の猛訓練の賜で、作業は水ぎわだってきびきびとはかどるのであった。
僅か三十秒後、艦はもうしずしずと波間に沈下しつつあった。
それから一分の後、艦橋もなにも、すっかり海面から消え去った。あとにはほんのすこしの水泡が浮いているだけ――その水泡もまたたく間に、波浪にのまれて、見えなくなった。
なんというすばらしい潜水艦であろう。
闇の中には柳下機の爆音も聞えず、吹きつのる烈風の声、波浪の音のみすごかった。