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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
「長谷部大尉。これを読んで見たまえ」
「えっ?」
大尉には合点がゆかなかった。
その紙片は十数通の無線電信の受信紙であった。
大尉は一番上の受信紙の、片仮名文字の電文を口の中で読みくだした。
「ヒコートウノコージハオモイノホカハヤクデキアガルコトガワカッタタブン三シユウカンノノチトオモワレル。ホンジツ二〇インチノタイホウ八モンヲツンデイルコトヲハツケンシタ。カワカミ」
カワカミ――の四字を読んで、長谷部大尉は思わずあっと叫んだ。
消えた無電
「飛行島の工事は思いのほか早く出来あがることがわかった。多分三週間ののちと思われる。本日二十インチの大砲八門を積んでいることを発見した。川上」
受信時間をみると今日の午後十時着となっている。
なんという驚くべき電文だ。
長谷部大尉は、紙片を手にしたまま、「うーむ」とうなった。
「そうでしたか。艦長、川上の奴がもうこれ程の役をつとめていたとは、知りませんでした。そうとわかれば、さきほどから申し上げた言葉も、この際ひとまずひっこめます」
艦長は、大尉の前のコップに、手ずから酒を注いでやりながら、
「川上のことは、いつか君に話したいと思い、わしはすでに司令官のおゆるしを得てあったのだ。